失業保険はいつから貰える? 仕事辞めた直後に貰える場合でそうでない場合

失業保険は、万が一職業を失ってしまった際、労働者が苦心しないように設定されている保険です。失業保険を貰うことができれば、少なくとも1年間は仕事が見つからなくとも問題なく過ごすことができます。しかし、貰える条件や「いつから貰えるのか」を理解しておかなければ、立てた計画に大きな問題が生じる可能性があるでしょう。
そこでここでは、「失業保険がいつから貰えるのか」に注視して、失業保険についてまとめていきましょう。

失業保険が貰えるのはいつから? ポイントは「誰都合での退職か」

失業保険が貰えるのは、最短7日後です。しかし、あくまでも「最短」7日後というだけで、全ての人が7日後に貰えるわけではありません。場合によっては、最長3カ月と7日待たなければなりません。
もちろん、7日後に貰える方と3カ月と7日後に貰える方は、ランダムな条件で選ばれるわけではありません。ポイントは、「誰の都合で退職したのか」という点です。具体的に、退職した理由は「自分の都合で退職した場合」と「会社の事情で退職した場合」の2つで分けられます。
「自分の都合」とは、文字通り自分が退職の原因になった場合です。たとえば、転職するために退職したい場合、会社に責任のない事故で怪我をしてしまった場合、親の介護などで退職する場合も「自己都合退職」になります。
一方、「会社都合退職」は、会社に責任のある退職です。労働者からすると、「退職を強制される状況」に追い落とされた時点で、「会社都合退職」です。以下では、それぞれの退職理由について、具体例を含めて詳しくまとめていきましょう。

自己都合退職

前述したように、自己都合退職とは「自分で希望して退職をする場合」です。自ら「退職願」を出して仕事を退職する場合は、ほとんどの場合で「自己都合退職」として扱われます。自己都合退職の場合、基本的に失業保険が貰えるの7日間と3カ月後です。3カ月の間は「受給制限期間」として扱われ、お金を貰うことはできません。
ただし、この期間に生活の維持が困難な場合は、週に20時間以上働かないという制限つきでアルバイトが可能です。そのため、自己都合で退職し、失業保険がなければ生活の維持が難しいという場合は、アルバイトでの生活の維持を考えましょう。
なお、自己都合退職で退職した場合であっても、法律が定める理由での離職の場合、受給制限期間がなくなり、7日間の待期期間のあとに就職することが可能です。たとえば、「契約更新が出来ずに離職せざるを得なかった派遣社員の方や、心身の障害等により離職せざるを得なかった場合、結婚による住所変更のせいで離職せざるを得なかった場合などは、「特定理由離職者」として扱われ、会社都合退職と同じ形で失業保険を受けることが可能です。

会社都合退職

会社都合退職とは、労働者の意志を介さずに会社の都合で退職「させる」ことをいいます。たとえば、会社が倒産した場合、事業所がなくなった場合、事業所が移転した場合などが会社都合の退職に該当します。この場合は労働者本人ではどうしようもなく、退職のための準備をすることもできなくなってしまうので、失業保険を最短の7日間で受け取ることができるのです。
また、労働者が会社の資金を横領したり、会社に致命的な損失を与えた結果以外での解雇を除いて、それも会社都合退職に該当します。離職した理由が、会社都合退職かどうかを判断するのは、基本的にハローワークが主体です。ただ、最初に申告する際は自己申告制になるので、その際に企業側から「自己都合で退職しろ」といわれることも少なくありません。なぜなら、労働者が会社都合退職をすると、補助金を受け取ることができないからです。
そのため、企業はなんとかして自己都合退職をさせようとします。ただし、ハローワークに申告さえすれば、会社都合退職に変えて貰える可能性もあります。とはいえ、そのためには「会社都合で退職した」という確実な証拠が必要になります。例えば、「自己都合退職をしろ」と言われた録音データ、長い時間労働をしたというタイムカード、医師の診断書といった、「退職せざるを得なかった」証拠をハローワークに掲載することで、ハローワークが退職理由を会社都合退職に変更してくれます。この場合も、失業保険は7日後に受けることが可能です。

「失業保険はいつから貰えるの……」と途方に暮れないために。プランを立てておきましょう

失業保険が貰えないと、生活に大きな影響をもたらします。特に解雇のような形で、転職の準備ができなかった方にとって、失業保険はまごうことなき命綱になるはずです。しかし、それが貰えないとなると、途方に暮れてしまうかもしれません。
そうならないために重要なのは、仕事を辞める前に失業保険の受領を含めたプランを立てておくことです。以下では、仕事を辞める前に立てておくべきプランについてまとめていきましょう。

生活をどうするのか

第1に、生活をどうやって成り立たせるのか考えましょう。毎日の衣食住はどうするのか、毎日どのように食べていくのか、そして精神的ケアはどうするのか、詳細なプランを立てましょう。こうすることによって、実際に失業状態で生活をはじめるときのシミュレーションを行うことが可能です。
なるべく詳細に実際の生活を思い浮かべて、「どうやって生活をするのか」を意識してみましょう。そうすることによって、自分の生活に何が必要なのか想像することができます。

就職活動をどうやって行うのか

次に、就職活動をどうやって継続するのか、プランを立てましょう。失業保険は「就職活動を迅速に行うための資金」です。そのため、失業保険を受け取るためには就職活動を継続的に行う必要があります。具体的には月に決められた回数面接に行ったり、履歴書を企業に提出したりしなければなりません。
しかし、住んでいる場所によっては継続的な就職活動が難しい、ということもあるでしょう。そのため、毎月の就職活動をどのように継続させるのか、そうした点も意識して考えておかなければなりません。継続した就職活動を行うために必要な環境を、仕事を辞める前から構築しておけば、いざ仕事を辞めたときに困ってしまうことがありません。

失業保険が貰えるはずだった! と後悔しないためには「いつから」ではなく「今すぐ」準備をはじめましょう

失業保険を貰うための準備をする際、絶対に意識しておきたい点がひとつあります。それは、「失業保険に入るのなら今すぐに準備をはじめる」ということです。なぜなら、失業保険には実質的な期限が存在しているからです。
失業保険の条件のひとつに、「仕事を辞めてから2年間の間に、1年間の仕事の経験がある」ということがあります。つまり、無職期間が1年間以上続いてしまうと、失業保険を受けられてしまうのです。よって、退職してから失業保険の準備をはじめるのではなく、失業保険の準備をはじめてから退職を考えるようにしましょう。

まとめ

失業保険がいつから貰えるのかは、退職した理由によって異なります。退職した理由は会社都合の場合は1週間の待期後に失業保険の受領をスタートすることが可能です。一方、自分の都合で退職した場合は、3カ月と1週間後に失業保険を受け取れます。
退職した理由は自己申告制で、不服があれば退職の後、ハローワークに申請できます。ハローワークに退職理由を覆してもらうためには退職が会社理由である証拠が必要になるので、そのつもりであれば、必ず退職理由の証拠を用意しておきましょう。

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