ハローワークで掲載されている求人票の見方! 良い企業に就職するために

ハローワーク・職業訓練
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ハローワークは、公的に運営されているサービスです。しかし、掲載されている求人票が良いものばかりというわけではありません。それどころか、数ある求人票の中にはほとんどブラック企業のような求人票も紛れているのが実情です。
そこでここでは、ブラック企業に騙されて後悔しないよう、ハローワークに掲載されている求人票の正しい見方について解説していきましょう。

ハローワークの求人票でチェックすべきポイント

ハローワークの求人票には多くの情報が掲載されています。こうした情報を整理することで、ブラック企業を見分けることが可能です。特に意識すべき点は、「給与」「勤務時間」「休日」「保険」の4つです。ブラック企業は、こうした情報をうまく言い換えたり偽装したりして、実態を隠そうとします。
以下では、それぞれの情報について、意識すべき点をまとめましょう。

給与

「給与」とは、文字通り月に貰える給金の額を示した情報です。「給与〇万円」といったように表示されます。この給与を見る時、意識すべきなのは自分が生活するのに足りているか、転職する場合は自分の現在の手取りと比較して高いか、といった点です。
しかし、ハローワークで表示されている「給与」とは、その額が満額で貰えるわけではありません。実際に受け取れる金額は、「給与額」から税金や保険料が引かれた金額です。具体的に、「給与額」の8割程度が手取り金額になります。特に現在の手取りと比較する場合は、「給与金額」の欄から2割程度削減して比較するといいでしょう。
また、給与には「固定給性」「歩合給制」「完全歩合給制」の3つがあります。参考〇〇万円と書かれているものは頑張りやノルマによって給料の額が大きく変わるものなので、注意してください。

勤務時間

ハローワークの求人では、週に何日出勤するのか、何時から何時まで働くのか、といった勤務時間が掲載されています。大抵の企業は実働時間8時間を基準にしていますが、求人票の際に意識したいのは「残業時間がどの程度なのか」という点です。
ハローワークの求人票には、大抵の場合勤務時間と同様に残業時間も掲載されていますが、この「残業時間」はごまかされている可能性があります。例えば、「残業時間平均30分以下」と書かれている求人だったとしても、平均残業時間が30分以下なのはあくまでも管理職のみで、求人している部署では残業時間3時間越えが当たり前だということもあります。
また、残業時間についても意識しましょう。基本的に、日本の法律で許されている残業時間は月45時間、年間360時間です。よって、月45時間に迫る数字で残業時間を想定している企業は、実体的に非常に長い残業を強いられる可能性もあります。

休日

休日がどれくらいあるのかは、求人票を選別する上で非常に重要です。週休〇日制といった単語ではなく、年間休日〇日という文字に注目しましょう。ちなみに、平均的な年間休日日数は114日です。この数字に近い企業は、安心して応募できる求人票といえるでしょう。

保険

ハローワークの求人票では、9つの加入保険についてチェックできます。自分が必要だと感じる保険が揃っているかどうか、しっかりと確認しておきましょう。なお、雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金の4つは、絶対に会社側が用意すべき保険です。これらが揃っていない求人票は、正規の雇用でない可能性があるので注意しましょう。

こんな文言には要注意!? ハローワークの求人票にはブラック企業のものも

ハローワークの求人票はたくさん存在しますが、求人票の掲載にリスクがないことから、その質は玉石混合です。中には、法律違反レベルの労働を強いられるブラック企業の求人も存在します。ハローワーク職員の質によっては、そうしたブラック企業への就職を勧められることもあるので、以下のポイントに注意して自衛しましょう。

「週休2日制」に潜む罠

「週休2日制」という言葉を聞いたとき、ほとんどの人は土曜日と日曜日の両方に休めるという状態を思い浮かべると思います。しかしながら、ハローワークの求人票に記載されている「週休2日制」に関しては、その限りではないのです。
週休2日制とは毎月に1週以上週に2日休めることを保証している言葉であり、土日の両方が確実に休みになるというわけではありません。極端な話、毎月第1土曜日日曜日だけが休みで、あとは週休1日制、10連勤以上は当たり前、という職場関係であることもあります。
そのため、確実に休日を確保したいというときは、「完全週休2日制」という言葉と、年間休日が114日以上あるかどうかをチェックしましょう。

みなし残業、裁量労働制に要注意

みなし残業、裁量労働制という言葉は、「毎月〇時間残業することを前提として」、あらかじめ残業代を給料に含めておくことを示しています。つまり、基本的にはその程度の時間の残業はあるということです。一見高給に見えたとしても、実働時間が非常に長い可能性があるので注意しましょう。
また、みなし残業、裁量労働制の求人票の中には、平均残業時間を上回った分を残業代として手渡さない企業もあります。そうした悪徳企業に騙されないよう、みなし残業性、裁量労働制を取っている求人票に応募するときは、その設定が適切なのかどうかをよくチェックしましょう。

ハローワークでは求人票に載っていない情報も教えてもらえることも

上述したように、ハローワークの求人票を見ただけでも、ブラック企業を判別することは可能です。しかし、ブラック企業の中には巧みに求人票を偽装したり、いざ入社してみたら求人票に書いていないところで労働環境が悪かったりします。例えば、「アットホームな職場」と聞いて応募してみたら、職員同士の派閥がすでに出来上がっており、派閥同士の板挟みで精神が摩耗するということも少なくありません。他にも、上司がパワハラ気質だったり、タイムカードを切らない残業が常態化していることもあります。
こうした、働いてみないとわからないような情報は、求人票から読み取ることはできません。そこでおすすめしたいのが、ハローワークの職員に求人票の評判を聞いてみることです。ハローワークの職員はエージェントとは異なって中立の立場なので、その求人にネガティブな話題がある場合はしっかりと教えてくれます。
待遇の悪い企業を見分けたいときは、早期離職率を教えてもらうといいでしょう。早期離職率の高い場所は、労働環境や人間関係にどこか問題を抱えていることが多いためです。インターネット上の評判を見るのもひとつの手ですが、インターネット上のレビューはどちらかというと悪い点が必要以上に強調されている可能性が高いので、鵜呑みにしすぎると就職できる場所がなくなってしまうので注意しましょう。

まとめ

ハローワークの求人票は、その企業がどんな場所なのか、どのような労働環境で労働者を働かせているのかを簡潔に読み取ることのできるものです。ただし、企業側も人を集めたいので、過酷な労働環境を強いている企業ほど、うまく求人票をごまかしている可能性があるということにも注意しましょう。
そのため、ハローワークで求人を探すときは、求人票の内容を全て鵜呑みにするのではなく、ハローワークの職員と相談したり、ネット上の評判を見たりするのも重要です。ただし、えり好みしすぎると就職が難しくなってしまうので、自分にとって譲れないポイントを設定し、それを満たした企業を選んでいくといいでしょう。

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