一般的に、ニートになってしまう方の多くは高学歴ではなく、職にあぶれてしまった方です。いわば、一般的なニートは学歴社会の犠牲者といってもいいでしょう。そういう意味で、高学歴な状態でニートをしている人は「高学歴ニート」として特別扱いされることが少なくありません。
ここでは、そんな「高学歴ニート」についてまとめていきましょう。
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高学歴ニートとは?なってしまう理由も解説
高学歴ニートという状態は、一般的なニート論からすると非常に不思議な状態です。現代日本において就職の現場での学歴の重要度はまだまだ高く、高学歴な人材は多くの企業が欲しています。
つまり、高学歴ニートという状態は、一般的なニートのように「仕事がない」状態ではなく、その気になれば就職の選択肢は多く取ることができるのです。そうでありながらニートという状態を続けてしまう方には、高学歴ニート特有の事情が存在します。
多くの高学歴ニートが抱えている事情のひとつが、「自分のプライドや周囲の期待と折り合いをつけられない」という点です。高学歴と呼ばれるような大学ないしは大学院に入学できた人は、かなり能力の高い人間です。その能力の高さに多少なりとも自負がある方は、時に高いプライドを持ちます。
そのプライドが邪魔をして、中小企業への入社や、非有名企業への入社ができない人が多いのです。自分の中で厳しすぎる条件を設けてしまい、そのせいでニート状態を続けている方も少なくありません。また、自分のプライドだけではなく、高学歴ゆえの周囲の期待が重荷になり、求人をえり好みしすぎた結果、高学歴ニートの状態を続けてしまっている方もいるようです。
次の要因が、「コミュニケーション能力の欠如」です。世の中の多くの企業はコミュニケーションを前提として成り立っています。しかし、高学歴になるための勉強においては、極端な話、コミュニケーションを必要としません。そのため、「勉強はできるけれど会社という集団に溶け込めない」人が高学歴ニートになってしまうのです。
そして、「自分のやりたいことがわからない」というのも、高学歴ニートになってしまう要因のひとつです。学生の間は「良い大学に行く」という共通の目標を持つことができるのですが、社会人になると自分の目標を持つ必要が出てきます。
高学歴ニートの方はその時点で自分の「やりたいこと」がわからなくなり、ニートをせざるを得なくなってしまう方もいるようです。そうした方は社会に出たあとの目標がなく、「虚しさ」を感じてニート生活を続けてしまっています。やる気が湧いてこず、抑うつ状態のようになってしまう方も少なくないようです。
以上が、高学歴ニートになってしまう主要因です。もちろん、高学歴ニートの方の事情は人それぞれなので、全く関連のない事情で高学歴ニートになってしまう方もいます。
高学歴ニートの脱出方法。まずは肩の荷をおろしましょう
高学歴ニートから脱出する方法は決して難しくありません。学歴の薄い状態のニートから脱出するよりも簡単に抜け出すことが可能です。なぜなら、良い大学に入ることができるのなら、就職が可能になる能力があるはずだからです。よって、まずは「自分はできる」という再確認し、肩の荷を下ろしましょう。
そして、以下のような方法を試してみましょう。
人生設計をしてみる
今のまま高学歴ニートを続けるとどうなってしまうのか、自分の中で人生設計を考えてみましょう。今から10年後に自分の人生がどうなっているのか、具体的に想像してください。そうなったとき、「このままでも大丈夫なのか」ということを考えましょう。
10年後に親は何歳で、自分は何歳なのかを考え、そして具体的にどのような状況になっているのか、想像してみてください。もしそれで人生が悪い方向に行くようであれば、今自分ができることをやりましょう。
加えて、「自分のできること」を想像してください。高学歴と呼ばれる状態であれば、自分が学んできたことや、自信のあることがひとつは存在しているはずです。それを柱にして、就職の方法を考えてみましょう。「好きなことよりもできること」を意識して人生設計をしてみましょう。
もし、就職するにあたって自分に欠如しているスキルがあるのなら、それを身に着ける方法を考えましょう。コミュニケーション能力が欠如していると感じるのなら、それを改善できる場所を考えてください。そして、それを実行しましょう。それを含めて意識するのが、人生設計です。
自分の気持ちに向き合う
自分が今、どんな気持ちを抱いているのかをはっきりと自覚しましょう。そして、その気持ちを一度は受け入れてください。たとえば、自分の「プライドが高い」ということを自覚しましょう。他にも、自分が「怠惰だ」ということを自覚してみるのもいいでしょう。
自分がどんな人間であれ、高学歴ニートという状態になっているということは、就職を邪魔している、何らかの問題点が存在するはずです。それを一旦受け入れ、その要因を分析することで、就職への道を開くことができます。
たとえば、自分のプライドの高さを認識することで、一旦自分のプライドを横に置くことで、問題の解決方法を見つけることができるのです。
人の手を借りることも考える
高学歴の方の多くは、これまでの人生を自分の力で切り開いてきたはずです。その方法は千差万別でしょうが、「自分だけでなんとかなる」という自負があるために、人に頼ることができない方も少なくありません。
しかし、一旦ニートという状態に陥ってしまうと、精神的にも社会的にも、通常の状態に復帰するのはなかなか難易度が高い傾向にあります。そのため、「人に頼る」ということを考えましょう。
頼る人は誰でも構いません。公的機関、友人、知り合い、両親、医療機関など、頼れる人には全て頼ってみましょう。精神がつらいのなら精神科に、仕事の探し方がわからないのなら転職エージェントやハローワークに行くなど、人に頼ることを考えましょう。
人に頼ることは決して恥ずかしいものではありません。むしろ、頼らずにニート状態でいるほうが問題です。
高学歴ニート脱出のために必要なのは行動すること
高学歴ニートという状態を脱出するため、絶対に必要なことはひとつです。それは、「行動する」という1点です。まずはじめに行動をすれば、高学歴ニートという状態を脱出するための一歩を踏み出すことができます。
最初の行動はどんなものでも構いません。ハローワークへ行くこと、気に入った求人に履歴書を提出することなど、就職に関する行動をとにかく「自分の意志で」行いましょう。
自分の意志で一歩を踏み出すことは、自発的な就職活動に繋がります。そして、最初の行動は失敗を恐れないマインドを身に着けることが可能です。このように、高学歴ニートの方が就職のために行うべきなのは「最初の行動」といえるでしょう。
まとめ
高学歴ニートという状態は、精神的、あるいは周囲の状態に何らかの問題を抱えている状態といえます。なぜなら、学力があるのなら、ある程度の働き口は必ず用意されているはずだからです。
そのため、高学歴ニートの方が行うべきなのは、「現状を認識し」「最初の一歩を踏み出すこと」です。自分の悪いところを認識するのには勇気がいるかもしれませんが、これからの人生のことを考え、まずは自己分析から一歩を踏み出してみましょう。
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