既卒の就活は厳しい? 今からはじめるためのポイント

日本の就職市場は、「新卒市場」と呼ばれています。なぜかといいますと、日本の就活においては、新卒が非常に有利だからです。実際に新卒ではない状態で就職していない方のことは「既卒」と呼ばれており、就職の難易度があがることで知られています。では、既卒の就職事情は一体どのようになっているのでしょうか。ここでは、日本における「既卒」の就活についてまとめていきましょう。

既卒の就活は新卒に比べると厳しめ

大前提として、既卒の就職活動は、新卒に比べると厳しいことが多いようです。大手の調査によると、新卒学生の就職率はおよそ80%前後なのに対して、既卒の就職率はおよそ45%でした。新卒の方が10人中8人が就職できているのに対して、既卒は半分が仕事が決まっていない状態ということになります。この就職率の開きは、既卒と新卒の間に存在している差を、如実に示しているといってもいいでしょう。
就職のできる数が半分以上と考えると、自分に自信のない方は就活に対して自信を喪失してしまうかもしれません。しかし、決して絶望する必要はありません。確かに、新卒と既卒の就職率には開きがあります。しかし、このデータにおける「既卒就職者」は、学生時代から就活がうまくいかなかった人や、就活の方法を間違えてしまっている人、目標が高すぎる人なども含まれています。一方新卒のデータは、そのほとんどが就職の意志がある学生で、万全のサポートを受けているため、就職率が高く出るのは当然です。
つまり、既卒と新卒の差は、データほど大きくありません。自身の努力次第で、問題なく就職できます。ただし、努力の方向が間違っていると、そもそも就活ができないということもありえます。よって、既卒から就職を目指したい場合は、「自分に何が足りないのか」を意識する上で就活しなければなりません。

既卒の就活が厳しい理由は本人にあるかも

既卒の就活が厳しいというのは、データとしても、実感としてもよく言われることです。実際に既卒で就職活動を行っている人に話を聞いてみても、「新卒と比べて扱いの差を感じている」という方も多いようです。しかし、それは必ずしも企業のせいではないかもしれません。
以下では、「既卒の就活が厳しい」と感じている人が陥りがちな落とし穴についてまとめていきましょう。

行動力が足りないことが多い

既卒と新卒に関わらず、就活が難しいと感じている方の多くは、行動力が足りていない傾向にあります。たとえば、履歴書を出す企業の数が新卒の時に比べて少なかったり、面接のために事前準備をほとんどしていなかったりと、実際に行動に移していない方も多いのです。
とはいえ、怠惰な気持ちや働きたくないという気持ちから行動を起こさないという人は少数です。ほとんどの人は就活を「やらなければならない」ことだと認識しており、そのために何か行動を起こす意志は持っています。しかし、就職活動はやるべきことを指示してくれる人がおらず、次々と課題を出してくれる教師やサポーターもいません。そのため、学生時代の延長で就職活動をしている人ほど、行動力が足りずに就職にたどりつけない方が少なくないのです。

無力感を感じていることも

新卒の学生と比べて、既卒就職者の中には言いようのない無力感に苛まれてしまう方も多いようです。その理由は、既卒就職者として就活をしていると、「自分を否定する回数が多い」からです。新卒の学生は、どちらかというと大学ないしは高校の看板という色眼鏡で見られることが多いのですが、既卒の募集は1人の人間として人材を判断するため、どうしてもその人自身を批判するような言葉になってしまうことが少なくありません。
さらに新卒の学生と異なり、信頼のおける教師のようにメンタルケアも兼ねて指導してくれる存在もいないため、面接で不採用を叩きつけられてしまうと、必要以上にふさぎ込んでしまいます。特に面接で落とされることに慣れていない人ほど、必要以上に落ち込み、「自分はダメな人間だ」「何もできない人間だ」と、強い無力感を覚えてしまうこともあります。
そうなると面接のときにも受け答えが暗くなったり、自信のないように見えてしまったりして、また不採用を言い渡されてしまうという負のスパイラルを形成してしまいます。メンタルの落ち込みは、目に見えて印象を悪くしてしまいがちです。自分の心が落ち込んでいると感じたら、メンタルケアの方法も考えておきましょう。

既卒から逆転! 新卒以上の待遇を目指すための就活方法

日本は新卒市場と言われて久しいのですが、現代ではその事情は少しずつ変わっていっています。実際に既卒をターゲットにした就職エージェントや、あえて新卒ではなく既卒を大量に採用する企業も出始めているようです。そのため、既卒からでも新卒以上の待遇で就職することは決して夢物語ではありません。ここでは、そのために取れる行動をいくつかまとめていきましょう。

まずは行動。やりたいこととやれることをまとめ

第1に重要なのは、行動をすることです。まずは履歴書の1文字、1社の面接からはじめましょう。その際、自分を分析することも大切です。特に重要な点が、「自分が何をしたいのか」「自分はなにができるのか」という2点です。
そして、出来ることとやりたいことの兼ね合いを意識しながら、行きたい業界を絞りましょう。たとえば、「人に良い印象を持たれる」ことが「できること」なら、「色々な人と話したい」のか「特定の人と話したい」のか、「やりたいこと」を考えてみましょう。そこから、自分に向いている業界が見えてくるはずです。例でいえば、前者は接客業、後者は編集者やプランナーといった業界が考えられるでしょう。
もし自分のやりたい業界に関する伝手や知識がない場合は、そこから勉強することも選択肢として考えておきましょう。

時には止まって見返すことも大事。やり方が合っているか考える

就活において重要なのは行動力です。考えがまとまったら、とにかく遮二無二行動を起こすと、気が付けばよい結果を受け取ることができるはずです。しかし、その努力が間違った方向に向かっている場合、意味のない時間を過ごすことになってしまいかねません。
そこでおすすめなのが、時に「何もしない日」や「遊ぶ日」を作って、息抜きをしながら、今自分のやっていることは正しいのかを見返してみることです。もちろん、何もしない日や遊ぶ日が数日続いてはいけません。しかし、週に1度程度は就活のことを忘れて、自分がやってきたことと、成果が出ない理由を考えてみる時間が大切です。こうした時間が、メンタルケアにも繋がります。

一旦アルバイトなどで社会との接点を作る手も

今まで働いた経験がないという方は、一度アルバイトなどをしてみるのも手です。学生と社会人では、何かと勝手が違います。また、一見華々しく見える業界でも、アルバイトとして働いてみると、実情が全く違って見えることも少なくありません。
よって、一度自分の志望する業界にアルバイトとして接触してみて、社会との接点を作ってみるのも大切です。また、アルバイトを通して社会人として当然のマナーなどを身に着けることもできます。

まとめ

既卒の就活は、一般的に考えられているよりも難しいものではありません。データ上で見ると厳しく見えるかもしれませんが、行動さえ起こせるのなら、就職をするのはデータよりもずっと簡単なはずです。
しかし、やり方が間違っていると、どうしても既卒の就活は途端に難易度があがります。一度自分のやり方が間違っていないかを見直してみて、就活の方法を考え直してみるのもいいでしょう。

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